いばらき宇宙ビジネスサミット2018

日 時
平成30年1218日 (火)
10:00~
場 所
オークラフロンティアホテルつくばアクセス茨城県つくば市吾妻1丁目1364-1( TXつくば駅徒歩2分 )
主催: 茨城県
共催: 内閣府経済産業省
後援: つくば市宇宙航空研究開発機構
新エネルギー・産業技術総合開発機構

宇宙プレイヤーが集結!
世界を見渡すと、宇宙産業市場は民需中心に年々拡大し、我が国でも、宇宙産業を成長産業と捉える動きが広がっております。
このような中、茨城県では「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」を立ち上げ、自治体としては全国初となる、宇宙ビジネスに特化した切れ目ない支援を実施することといたしました。
この度、その取組の一環として、宇宙ビジネスサミットを開催いたしました。

サミットの模様

シンポジウム

<主催者挨拶>

大井川和彦 茨城県知事
大井川和彦 茨城県知事

<共催者挨拶>

石川 昭政 経済産業大臣政務官
石川 昭政 経済産業大臣政務官

<宇宙産業の現状説明>

髙倉 秀和 内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 参事官
髙倉 秀和
内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 参事官
会場全景

<パネルディスカッション>

パネルディスカッション
パネルディスカッション

◎モデレータ、パネリスト

佐藤 将史氏
佐藤 将史氏
大井川 和彦氏
大井川 和彦氏
袴田 武史氏
袴田 武史氏
亀田 敏弘氏
亀田 敏弘氏
日髙 萌子氏
日髙 萌子氏
土田 誠行氏
土田 誠行氏

<セミナー>

◎ソリューションアイデア創出のメソッド学習(企画担当者向け)

ソリューションアイデア創出のメソッド学習(企画担当者向け)
ソリューションアイデア創出のメソッド学習(企画担当者向け)

◎衛星データに関する講習会・操作実習(エンジニア向け)(企画担当者向け)

衛星データに関する講習会・操作実習(エンジニア向け)(企画担当者向け)
衛星データに関する講習会・操作実習(エンジニア向け)(企画担当者向け)

<S-Matching>

S-Matching
<冒頭挨拶>内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 参事官補佐 長宗 豊和
<冒頭挨拶>
内閣府 宇宙開発戦略推進事務局
参事官補佐 長宗 豊和
展示コーナー
展示コーナー

PROGRAM プログラム

シンポジウム

いばらきS-NET
会場:本館3階「ジュピター」

■10:00~
主催者挨拶、宇宙産業の現状説明
■10:30~11:30
パネルディスカッション(定員150名先着順)
(パネリスト)
茨城県知事 大井川 和彦
株式会社ispace Founder & CEO 袴田 武史氏
株式会社ワープスペース CEO 亀田 敏弘氏
合同会社Yspace 代表 日髙 萌子氏
株式会社INCJ 専務取締役 共同投資責任者 ベンチャー・グロース投資グループ長 土田 誠行氏
(モデレーター)
株式会社野村総合研究所 ICTメディア・サービス産業コンサルティング部 上級コンサルタント 佐藤 将史氏
■~12:00
名刺交換

パネリスト・モデレーター紹介

パネリスト

大井川 和彦(おおいがわ かずひこ)

茨城県知事

大井川 和彦

1964年4月3日生まれ。茨城県立水戸第一高等学校卒業、1988年東京大学法学部卒業後、1996年ワシントン大学ロースクール卒業。
1988年通商産業省(現経済産業省)入省後、1998年同省シンガポール事務所長(初代)就任。2003年経済産業省退官後,マイクロソフトアジアに執行役員として入社。翌年同社執行役常務パブリックセクターを担当し、2010年シスコシステムズ合同会社専務執行役員パブリックセクター事業担当に就任。2016年株式会社ドワンゴ(ニコニコ動画運営会社)取締役を経て、2017年現職。

袴田 武史(はかまだ たけし)

株式会社ispace 代表取締役、ispace, inc. Founder & CEO

袴田 武史

1979年生まれ。米ジョージア工科大大学院で航空宇宙工学修士号を取得後、経営コンサルティング会社を経てispaceを創業。人類が宇宙で生活圏を築き、宇宙と地球が共存する世界を構築するため、宇宙ロボット技術を活用した民間宇宙事業を推進中。2010年からGoogle Lunar XPRIZEに「HAKUTO」として参戦し、現在は史上初の民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」を主導している。

亀田 敏弘(かめだ としひろ)

株式会社ワープスペース CEO

亀田 敏弘

東京大学工学部卒業。同大学院工学系研究科修了。米国ノースカロライナ州立大学博士課程修了(Ph.D. in Mechanical and Aerospace Eng.,)、筑波大学システム情報系~現在に至る。2011年に筑波大学に衛星開発プロジェクトをゼロから立ち上げ、2機のキューブサットITF-1 (2011~2014)、 ITF-2 (2014~現在) を宇宙に送る。
2016年に、大学衛星で蓄積された知見と技術を活用し、個人レベルで宇宙を楽しめる世界の実現に向けて「株式会社ワープスペース」を設立し、宇宙プラットフォーム事業を推進中。

日髙 萌子(ひだか もえこ)

合同会社Yspace代表 

日髙 萌子

1994年5月28日生まれ。茨城県立土浦第一高等学校卒業、慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程在学。
ispace代表の袴田の講演に影響を受け、大学1年次から月面探査プロジェクト「HAKUTO」のメンバーとして参加。現在に至るまで、月探査車の部品設計や月着陸機の設計支援に携わる。2017年よりJAXA宇宙科学研究所と共同で月着陸船のための高精度着陸技術を研究。2018年、合同会社Yspaceを起業。宇宙開発をVR技術で促進することを目指す。

土田 誠行(つちだ しげゆき)

株式会社INCJ 専務取締役 共同投資責任者 ベンチャー・グロース投資グループ長

土田 誠行

1986 年に日本長期信用銀行(現 新生銀行)入行。当行の金融商品部門 ストラクチャード商品部を率いた後に、2001 年入庫の農林中央金庫を経て、2007 年よりあおぞら銀行で執行役員 投資銀行 副本部長に就任。これまで機関投資家として 20 年以上の経験を通じて、幅広い投資の意思決定を行ってきた。2009 年 に産業革新機構(現INCJ)に執行役員 兼 マネージングディレクターとして参画。2013 年 3 月より、専務執行役員 兼 マネージングディレクター、戦略投資グループ長、 2016 年 6 月より、専務取締役 兼 共同投資責任者、ベンチャー・グロース投資グループ長として、シードからレイターステージまでのベンチャー投資や企業成長を加速させるためのグロース投資を中心に投資全般を統括。加えて、LP 投資や事業再編・カーブアウトに関わる投資、素材化学、宇宙産業分野など、多くの投資プロジェクトを手掛けている。1986 年早稲田大学法学部卒。

モデレーター

佐藤 将史(さとう まさし)

株式会社野村総合研究所
ICTメディア・サービス産業コンサルティング部 上級コンサルタント

佐藤 将史

宇宙業界やベンチャー振興を軸に、産業創造・育成、オープンイノベーション、産学連携、知的財産関連の政府・企業をクライアントとしたコンサルティング事業に従事。
一般社団法人SPACETIDE共同創設者・理事.総務省「宇宙利用の将来像に関する懇話会」構成員、総務省「宙を拓くタスクフォース」構成員。
東京大学理学部卒(2001年、地球惑星物理)、同大学院理学系研究科修了(2003年、地球惑星科学)、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)MPP(2013年、公共政策学修士)。ソフトバンククリエイティブ「ビジネス+IT」にて宇宙ビジネスをテーマに連載中。

セミナー

いばらきS-NET
会場:アネックス1階「昴の間」

■13:00~16:10
ソリューションアイデア創出のメソッド学習【企画担当者向け】(定員40名先着順)
新たなソリューションビジネスを創出するためのワークショップを開催

会場:アネックス2階「夕映」「有明」

■13:00~15:30
衛星データに関する講習会・操作実習【エンジニア向け】(定員40名先着順)
拡大が見込まれる衛星データ活用の裾野を広げ、潜在的な事業者を発掘
*参加者はPC、G-mailアカウントが各自必要です

*専門家への個別相談会について

予定していた「専門家への個別相談会」は、既に茨城県が設置している「いばらき宇宙ビジネス創造プラットフォーム」のコーディネータ(個別相談会の専門家と同機関に所属)が随時相談をお受けしているため、こちらに替えさせていただきます。
⇒個別相談はこちらからお申込みください。

(プラットフォームの運営を委託する一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構のサイトにリンクします)

S-Matching

会場:アネックス1階「昴の間」

■13:00~17:00
S-Matching with 国研&ベンチャー(定員100名先着順)
※名刺交換・質疑応答のスペースを用意しています。入退室自由です。

プレゼンター・テーマ一覧

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S-Matching with 国研&ベンチャー プレゼンター・テーマ一覧

13:10~14:00

No. 所属機関名 所属・役職 プレゼンター テーマ 概要 発表データ
1 株式会社ワープスペース 代表取締役 亀田 敏弘 宇宙利用の大衆化と市場創造 手軽な宇宙利用で新規市場を創造することで生まれるビジネスとは
2 合同会社Yspace 代表社員 日髙 萌子 「宇宙」x「VR」の可能性と活用 合同会社Yspaceの取り組みの紹介と今後の事業計画
3 宇宙航空研究開発機構/オリガミ・イーティーエス合同会社 研究開発部門システム技術ユニット 研究領域主幹/代表社員 小澤 悟 大型展開構造解析プログラムOrigami/ETS及びオリガミ・イーティーエス合同会社の概要紹介 宇宙空間で展開する大型アンテナの設計開発のためにJAXAが開発した「大型展開構造解析プログラムOrigami/ETS」の概要、Origami/ETSの利用によって新しい構造設計が創出される可能性がある分野、及びオリガミ・イーティーエス合同会社の事業等についてプレゼンテーションを行う。
4 合同会社
パッチドコニックス
代表社員代理 岡部 和子 はやぶさの技術を応用した独立分散制御方式
-小さなスイッチボックスで大きな革命を-
JAXA 発知財である、「独立分散制御方式」を用いた、「スマート照明スイッチ」についてご案内いたします。「はやぶさ」では、限られた電力を有効利用する装置が搭載されました。この制御技術を応用した同製品は、サーバーを要さない、新時代における革命的「IoT 装置」です。
5 合同会社
Flow Sensing Lab
代表 河南 広紀 宇宙開発で培った超音波流量計測技術のスピンオフの取り組み 流量計測は流体を扱う産業全般の基盤技術ですが、「流量計の制約に合わせて設備を作る」ことが一般的です。
ここでは、「使用条件に合わせて流量計をカスタマイズする」というコンセプトにもとづき、JAXA のロケットエンジン関連技術とそのスピンオフ事業の概要をご紹介します。
共同で研究開発をご検討いただけるメーカ様や特殊な流量計測を必要とされるユーザ様等とのマッチングを期待します。
6 JAXA/Space Cubics 主任研究開発員/CMO 後藤 雅享 低価格宇宙用コンピュータによる宇宙機開発コストの低減 宇宙で多くの運用実績を持つJAXAの信頼性技術を付加した民生コンピュータを一般販売し、宇宙機開発コストの大幅削減と宇宙開発への新規参入企業の増加を狙う。
7 宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター研究領域主幹 久世 暁彦 千色の目で空から見つめる都市別温室効果ガス排出分布 人為起源の温室効果ガスの過半は大都市から排出される。10年間の宇宙からのCO2, CH4観測技術をもとにÅ分光分解能を有するイメージング分光計を航空機に搭載する。都市レベルで発生源排出量マップを作成し、効率的な温室効果ガス削減策に役立てる。
8 宇宙航空研究開発機構 追跡ネットワーク技術センター技術領域主幹 中村 信一 AIを応用した超高層大気密度推定 人工衛星(主に地球観測衛星)が運用される高度(400km~800km)において軌道予測を行う際に、希薄ではあるが存在する大気により発生する大気抵抗が最も大きな不確定性要因である。大気密度推定は軌道力学で最も古く、最も困難な課題であった。JAXAでは、過去の宇宙環境の情報と衛星運用の実績をAI的に機械学習させ、直近の衛星軌道の変化を予測する研究を実施している。研究概要をご説明するので、応用先について議論できればありがたい。
9 宇宙航空研究開発機構 研究開発部門主幹研究開発員 内藤 均 リチウムイオン電池が「あとどれくらい使えるのか」を実使用環境で知る技術 リチウムイオン電池の健全性(劣化状況)を他の試験・データとの比較ではなく、当該電池から得られるデータからリアルタイムで検知する方法について紹介する。

14:00~14:55

No. 所属機関名 所属・役職 プレゼンター テーマ 概要 発表データ
10 宇宙航空研究開発機構 航空技術部門航空システム研究ユニット研究領域主幹 井之口 浜木 航空安全に寄与する搭載型ライダー 高出力のドップラーライダーを航空機に搭載して乱気流を遠隔検知する実験に成功したが、現状では小型化および低価格化に課題がある。しかし使用法を制限すれば低出力の小型装置でも利用価値があり、早期の実用化が可能である。さらに、火山灰や氷晶などの検知機能を追加することにより、運航コスト低減にも寄与できるシステムを構築することができる。
11 宇宙航空研究開発機構 航空技術部門次世代航空イノベーションハブ航空利用促進技術チーム 村岡 浩治 長距離 / VTOL Small UAVs ・長距離(6hr)飛行小型無人機技術(ガソリンエンジン、固定翼機(55kg))
・ティルトウイング小型VTOL無人機技術(電動モータ、VTOL機(25kg))
について紹介する。
12 宇宙航空研究開発機構 航空技術部門航空システム研究ユニットユニット長 牧野 好和 将来超音速機実現に向けたJAXA技術の紹介 JAXA航空技術部門では将来超音速機実現の鍵となる抵抗低減技術やソニックブーム低減技術の研究開発を実施しており、設計コンセプトや設計手法に関する特許を取得するとともに、いくつかの飛行実証プロジェクトにおいてその設計効果を確認している。
本プレゼンではコンコルド退役後の世界の超音速機開発状況を踏まえた上で、JAXA技術を活用した超音速機開発ビジネスの可能性について紹介する。
13 宇宙航空研究開発機構 環境試験技術ユニット技術領域主幹 藤田 真澄 JAXA筑波宇宙センターでビジネス JAXA筑波宇宙センターを舞台に、小型衛星ビジネスなどのPFI事業創出を提案する。
14 宇宙航空研究開発機構 技術領域主幹 冨井 直弥 衛星SARによるインフラ変位モニタリング 衛星SARによる河川堤防や港湾などの干渉解析技術による変位抽出モニタ
15 情報通信研究機構 テラヘルツ研究センター上席研究員 笠井 康子 衛星データとIOT機器を用いた「キレイな空気」のブランド化  過去、水が豊かで美味しい日本においては、欧米と異なりペットボトルの水は売れないと思われていたが、現在は全国普遍的に販売され、ブランド水が出来ている。我々は、同様に、「キレイな空気」のブランド化が出来るのではないかと考えている。大気質は健康・美容・心地良さ・農作物の生産性や質など人々の生活全般に影響する。近年、PM2.5等の大気汚染物質による健康影響が懸念されている。大気汚染による喘息疾患や肺病発症などによる世界早期死者数は420万人であり、これは交通事故による死亡者数の約3倍に相当する。肌荒れ要因の一つでもあり、化粧品会社からの関心も高い。また、近年では「キレイな空気」を求めて中国からの旅行者が日本に来ていると聞く。
 我々は、PM2.5やオキシダントをはじめとした衛星観測データ等をベイズ推定法に基づく独自アルゴリズムで最適化した指数を用い、時空間的に均一な条件下で、地方自治体ごとの「キレイな空気」ランキングを作成することを提案する。また、衛星データで標準値校正を行ったIOT機器を用いた屋内屋外観測データにより、建物や周辺環境のカテゴリー(地下道、禁煙所、高速道路等)毎の屋内・屋外比を導出、個々人の生活環境に最適化した「キレイな空気」の見える化を図る。これらにより、例えば、リモートワーク・テレワークなどの新しいワークスタイルが育っていく日本において、地方への移住誘致の一つの魅力条件に使うことなどが考えられる。
16 情報通信研究機構 ワイヤレスネットワーク総合研究センター宇宙通信研究室室長 豊嶋 守生 NICTにおけるNew Space × ICT技術の研究開発 人類の活動の場は地球近傍宇宙(New Space)に。Society5.0時代を迎え、情報通信技術(ICT)を活用した新たな宇宙ビジネスが次々と創造される大変革時代が到来。NICTの通信・宇宙天気・THzセンシング・セキュリティ分野のトガッタ基盤研究と外部ユーザとを連結し、革新的宇宙ICT研究開発と利用によりNewSpace ICT産業革新の起爆剤にしたい。
17 情報通信研究機構 電磁波研究所宇宙環境研究室室長 石井 守 テーラーメイド宇宙天気情報の提供 宇宙天気情報は「みちびき」衛星の高精度測位や電波の安定的な利用、超高層有人飛行、ドローンの安定利用、人工衛星の安定運用に不可欠な情報です。情報通信研究機構では1988年より宇宙天気に関する一般的な情報を提供しています。しかしながら、これら宇宙天気情報を正しく使用するためには、それぞれの利用対象に併せて情報をカスタマイズする必要があります。この多岐にわたる情報提供のビジネスの可能性についてご紹介します。
18 情報通信研究機構 電磁波研究所リモートセンシング研究室主任研究員 石井 昌憲 光センシング技術の宇宙への展開 近年、豪雨、暴風、台風の大型化や数の増加し、地球規模で大規模な災害が発生しており、安全な社会を実現するために、観測・予測精度向上のための技術開発が求められています。光アクティブセンシング技術を用いて地球観測を行い、数値予報精度や気候変動予測精度の向上を実現したい。

15:05~16:00

No. 所属機関名 所属・役職 プレゼンター テーマ 概要 発表データ
19 情報通信研究機構 電磁波研究所時空標準研究室主任研究員 原 基揚 原子エネルギー準位に安定化したGHz帯MEMS発振器の開発 GHz帯のフィルタ素子として実績のある圧電薄膜共振子(FBAR)を利用し、次世代無線規格や宇宙応用にて活用が見込まれるsub-6GHz、ミリ波帯、THz帯へ、高安定な基準信号を供給する新規のクロックシステムを検討する。本提案では、FBAR発振器を原振とし、アルカリ金属原子のエネルギー準位(3.4 GHz帯)に安定化させる。これは、LC発振器を水晶振動子に安定化させる従来のクロックに対して、格段に高い周波数安定度を得られるだけでなく、複雑な周波数逓倍処理を介さず、GHz帯の発振を直接得られることから、信号純度が高く、位相雑音の少ない基準信号の生成が期待される。当該技術は、原子のエネルギー準位を利用して、水晶発振器を安定化させる従来の原子時計を小型化・チップ化する提案とも言え、大きな波及効果が期待される。
20 情報通信研究機構 電磁波研究所時空標準研究室主任研究員 氏原 秀樹 超広帯域アンテナの応用 最大最小周波数比1:5(例えば3-15GHz)の全てが1本で受信できる軽量高指向性アンテナの紹介
21 国立環境研究所 衛星観測センター観測センター長 松永 恒雄 GOSATシリーズを用いた人為起源温室効果ガス排出量のモニタリング OSAT(温室効果ガス観測技術衛星)シリーズによる大都市等の周辺の二酸化炭素やメタンの濃度観測データと大気輸送モデルを用いて、大規模排出源の排出量を評価する手法やその利用について紹介する。
22 国立環境研究所 地域環境研究センター主席研究員 王 勤学 気候変動の適応に向けたスマートな遊牧に適した技術システムの提案 気候変動の適応に向けた新たな遊牧方式に適した技術システムを提案する。例えば、リモートセンシングによる放牧適地の選定技術、GPSやドーロンなどによる家畜の移動範囲や牧童の遊牧範囲の監視技術、太陽光発電など再生可能なエネルギーの利用技術、および極端気象や自然災害の発生リスクなどの情報を提供する早期警報システムなど。
23 国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター主任研究員 亀山 哲 懐かしい未来への挑戦;自然共生型社会に基づくスマートビレッジのデザイン(Eco-DRR・グリーンインフラを考慮した釧路川流域における未利用地の有効活用) 拡大を続ける未利用地をリモートセンシングよって正確に定量化し、Eco-DRR・グリーンインフラ等の評価軸を基に自然共生型社会によるスマートな地域づくりを目指す。
24 国立環境研究所 環境計測研究センター室長 西澤 智明 衛星搭載ライダーを用いた大気汚染粒子等の動態情報の提供 レーザーを用いた大気計測装置「ライダー」による衛星観測データと化学輸送モデルを統合利用して、様々な都市・地域で活用できる大気汚染粒子等(PM2.5等)の動態情報を提供する手法について紹介する。
25 国立環境研究所 衛星観測センター研究員 大山 博史 CO2大規模点排出源観測衛星の提案 火力発電所のような二酸化炭素 (CO2) の大規模点排出源からの CO2 排出量をモニタリングする衛星を提案する。
世界のエネルギー起源 CO2 排出量の約 4 割を占めている火力発電所や製鉄所からのCO2 排出量を定量化するためには、拡散されるプルーム (CO2 を多く含んだ空気塊) を高い空間分解能で測定する必要がある。そのために、回折格子を用いたイメージング分光計とGOSATシリーズで培ったポインティング機能により、1.6μm 帯の地表面散乱太陽光スペクトルを数 100 m×数 100 m のフットプリントサイズで特定点方式により (大規模点排出源周辺を 2 分程度の露光時間で) 測定する衛星を提案する。
26 国立環境研究所 衛星観測センター主任研究員 野田 響 植物蛍光(SIF)観測衛星の開発 近年、地上の植物が光合成の際に発する蛍光(SIF)を衛星から観測可能であることが明らかになった。SIFデータは、二酸化炭素吸収源であり、同時にあらゆる生態系サービスの基盤である植物の光合成活性の推定に利用することができる。本テーマでは、SIF観測を主目的とした新たな人工衛星の開発を提案する。
27 物質・材料研究機構 構造材料研究拠点トライボロジーグループグループリーダー 土佐 正弘 酸化亜鉛コーティングのトライボロジー性能発現と機器部品応用ならびに産業機械展開 NIMSで開発した酸化亜鉛トライボコーティングは、人畜無害で環境に優しく高温や真空等極限雰囲気で優れたトライボロジー性能を発揮され、さらに、ベアリング等の機構部品に応用してフリクションロスが低減できるとともに、小型タービン発電機に展開して省エネ化を推進している。

16:00~16:50

No. 所属機関名 所属・役職 プレゼンター テーマ 概要 発表データ
28 理化学研究所 染谷薄膜素子研究室専任研究員 福田 憲二郎 超薄型有機太陽電池による電源供給及びセンサ応用 厚み3μmの超薄型有機太陽電池を用いた発電デバイスとそれを用いた皮膚貼付け型センサデバイスについての紹介を行う。
29 防災科学技術研究所 社会防災システム研究部門主任研究員 田口 仁 衛星データ等即時共有システムと被災状況解析・予測技術の開発 人工衛星からの画像は、災害発生エリアの広域な把握に役に立つ。そこで、人工衛星から適切なエリアが撮影でき、その撮影データを解析して、画像データや解析結果を災害対応機関に迅速に届けるためのアイデア・構想について紹介する。特に、衛星画像の解析技術については産官学様々な分野からの参画を期待したいと考えている。
30 防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門主任研究員 酒井 直樹 災害対応における衛星情報の利活用~トリガー情報の必要性~ 光学、レーダーを用いた衛星情報による広域な被災状況の把握は、災害対応には必要不可欠である。しかし、災害発生後72時間という中での衛星情報の活躍はあまり聞かない。それは、必要とする人へ必要なタイミングで衛星情報が伝わらないからである。その一つの要因は、衛星は航空機やドローンに比べ機動性が弱く必要なタイミングで手の入らないことである。それを補うためには、災害時のトリガー情報(降雨、地震、火山等の観測情報)を用いて、撮影のタイミング(いつ、どこ)を最適化することの必要性を述べる。また適切なトリガー情報を用いることで、「好きな時に好きな場所の衛星情報が手に入る」となれば、防災ビジネスだけでなく広くビジネスチャンスが生まれることが期待できる。
31 産業技術総合研究所 人間情報研究部門上級主任研究員 柴田 崇徳 長期有人宇宙ミッションにおけるメンタル・ヘルスのためのアザラシ型ロボット「宇宙用パロ」の研究開発と実用化 火星探査などの長期有人宇宙ミッションが計画されている。例えば、火星の場合、往きに半年、現地で2年間、帰りに半年で、3年間のミッションが想定されている。初期には4名程度が予定され、閉鎖された空間で、緊張度が高い作業を求められる。また、長距離による通信のタイムディレイがあり、家族や友人との会話が困難になる。
そのため、ストレスや不安等が問題になる。これらは、ヒューマン・エラーの原因ともなる。アザラシ型ロボット・パロは、アメリカで医療機器の承認を得ており、医師等の処方者から、不安、うつ、痛み等の診断に対して処方され、保険適用になっている。様々な治験結果からも、孤独感、ストレス、血圧の低減等が示されている。そこで、重力が弱い、宇宙や火星で宇宙飛行士の長期的なコンパニオンとして、メンタル・ヘルスのための「宇宙用パロ」を開発し、実証実験で効果を示し、国際的に宇宙機関での採用を目指す。これまでに、アメリカの宇宙関連会議で5回展示し、参加者へのアンケート調査を行い、パロのニーズは明らかになっている。
32 産業技術総合研究所 無機機能材料研究部門副部門長 赤井 智子 蛍光蓄光ガラスを使った宇宙空間での太陽光利用 光照射、熱に対して高耐候性の蛍光ガラスとそれによる照明、太陽電池への応用のアイデアを紹介
33 合同会社
Sigma-SAR研究所
代表/クリエイティブ・ディレクター 北沢 至
吉岡 有紀
リモートセンシングデータ解析プラットフォーム:Sigma-SAR Cloud Platform (SSCP) Sigma-SAR Cloud Platform (SSCP)の概要紹介
34 一般社団法人
SORAへのかけはし
スペースフライト策定チームリーダー 榎本 拓也 分身ロボットによる宇宙飛行士体験プラットフォーム創造プロジェクト 分身ロボットによる宇宙飛行士体験プラットフォームとは、一般の方もALS患者さんも利用している誰もが簡単に操作可能な分身ロボット「Orihime」を国際宇宙ステーションに運び、難病患者さんや子供など、様々な方に宇宙飛行士体験をしてもらおうという夢と希望あふれるプロジェクトです。
35 株式会社OUTSENSE Co-Founder 植松 風登 あなたをどこにでも住めるようにする。そう、それが宇宙でもね。 宇宙建築ベンチャーOUTSENSEの目指す未来と、それを可能にする「折り紙」を応用した独自技術についてご紹介。